はじめの一歩。

2018年10月10日

はじめの一歩。

漫画の中の主人公はメジャー1年目のシーズンをどう感じたのだろうか。
メジャーで二刀流という、とてつもない挑戦を私自身は、漫画のページをめくるように、興味本位に見ていたようだ。
大谷翔平というかつてないほどの魅力的な主人公に引き込まれていった。
気付けば、【今日の大谷翔平】をチェックすることが、私の日課にもなっていた。
おそらく、同じような行動をとっていた日本人は多いのではないだろうか。

1年目の成績を振り返ってみる。
正直、自分自身は【投手大谷翔平】に期待していた。
メジャーで彼の速球はどこまで通用するのか。
メジャー屈指のパワーヒッター達がバットで空を切るところをみてみたかった。
十二分に通用する部分も多かったが、途中、肘の故障もあり、ローテーションで投げることは出来なかった。
10試合に先発出場に留まり、4勝2敗、防御率3・31の成績を残した。
この成績をどう、捉えるのか。
一先ず、来シーズンの二刀流はない。(投手として復帰出来るのは早くても2020年シーズンといわれている)
可能性を残す成績であったことは間違いないが、予想以上に肘の状態が良くないことが、我々一、ファンとしては不安なところである。
因みに、メジャー1年目の主な日本人投手の成績を比較してみる。

野茂英雄 13勝6敗 防御率2.54(1995)
石井一久 14勝10敗 防御率4.27(2002)
松坂大輔 15勝12敗 防御率4.40(2007)
高橋尚成 10勝6敗 防御率3.61(2010)
ダルビッシュ有 16勝9敗 防御率3.90(2012)
田中将大 13勝5敗 防御率2.77(2014)
前田健太 16勝11敗 防御率3.48(2016)
(敬称略)

こう比較してみると、野茂選手はやはりすごかったと思う。
95年でこの防御率はなかなか出来るものではない。
今ほど、中継ぎや抑えが充実していなかったので、平均登板回数も確実に多い。
大谷で言えば、登板数が明らかに違うので、この選手達と単純に比較することはなかなか難しい。
逆に言えば、これぐらいの成績を残してこそ、真の二刀流といえるのかもしれない。
そう考えると、やはり漫画でしか成り立たない領域だと改めて感じる。

一方で打撃の方はどうだろうか。
正直、打撃に関しては、申し訳ないが、あまり期待していなかった。
ホームラン10本いけばいいかな。
ぐらいに思っていた。それもそのはず。
投手同様、メジャー1年目の日本人打者の成績をみてみる。

イチロー ホームラン8本 打率350(2001)
新庄剛志 ホームラン10本 打率268(同)
松井秀喜 ホームラン16本 打率287(2003)
井口資仁 ホームラン15本 打率278(2005)
城島健司 ホームラン18本 打率291(2006)
福留孝介 ホームラン10本 打率257(2008)
青木宣親 ホームラン10本 打率288(2012)
(敬称略)

イチローはさておき、ほとんどの打者が本場メジャーの投手が投げるボールに苦戦していることがわかる。
大谷が残した成績は、104試合に出場し、打率は285、ホームランにいたっては日本人最多の22本(61打点)
なかなかの怪物ぶりだ。
特にホームラン。
22本という数にも驚きだが、ホームランの質。
左打席で特に印象的だったのがセンターからレフトスタンドへ流しこむホームラン。
1年目のこのホームランを連発できるのは末恐ろしい。
逆に投手をやっていたから打者としてこれだけの成績を残せたという人もいる。
大谷自身も確か日本にいるとき、似たような発言をしていたように思える。
でも、ほんとにそうなのか!?
もし仮に、これが年間を通じて、今の倍以上、打席に立つことが出来たら、、、!?
と思うと、【打者大谷翔平】にも期待せずにはいられなくなる。

いずれにしても、2年目のシーズンは打者大谷翔平の姿が見られるわけであって、どんな数字を残してくれるのか楽しみである。
大谷翔平という選手は、私が思うに、言動で注目を集めて活躍するタイプではなく、一つの行動で示すタイプのように思える。
ホームラン一つにしても、剛速球一つにしても。
有言実行というよりは、無言?実行!?に近いのではないだろうか。

そんな漫画の中の主人公はまだ若干、23歳。
将来が楽しみである一方、怪我にはくれぐれも気をつけてもらいたい。
きっと、まだはじめの一歩、第1章が終わっただけだから。

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